司法書士として稼ぐ方法|年収をアップさせるポイントと戦略を解説
「司法書士の年収はどれくらい?」「資格は難しいけれど、収入は高いの?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
司法書士は、不動産登記や遺言書の作成など、法律に基づく業務を通じて個人や企業を支え、法的安定に貢献する専門職です。独立開業のチャンスや幅広い業務内容があり、地域密着型のサービスを提供することで安定した収入も得られます。
この記事では、司法書士がどのようにして収入を得るか、年収を増やすための秘訣と実践方法など、これから司法書士を目指す方々に向けた実践的なアドバイスをお届けします。
司法書士の収入事情
司法書士は、不動産登記や法人登記などの手続きを代行する法律の専門家で、「士業」に該当します。
一般的には高収入とされますが、実際の年収はどのくらいか詳しく見ていきましょう。
司法書士の平均年収は約1,122万円
厚生労働省の調査で司法書士の平均年収(令和6年)は1121.7万円となっており、前年(令和4年)の971.4万円から約150万円の増加がありました。
さらに、ほかの士業との平均年収と比較してみると、以下のとおりです。
行政書士 | 社会保険労務士 | 弁護士 | 司法書士 | |
平均年収 | 551.4万円 | 947.6万円 | 1121.7万円 | 1121.7万円 |
弁護士の平均年収も1121.7万円というデータが出ており、ほぼ司法書士と同じです。
しかし、司法書士は主に登記や相続手続きが中心の業務ですが、弁護士は民事事件や刑事事件を含む幅広い案件を扱います。
そのため、仕事の範囲が広く、案件の規模も大きくなるため、弁護士が得られる報酬は一回あたりの金額が高くなる傾向があります。
開業司法書士の年収
令和3年度司法書士実態調査では、開業している司法書士の税引き前収入(売上)で最も多い金額区分は「1,000~4,999万円」です。
これは全体の35%を占めています。
次いで「200〜499万円」が10.2%、「500〜749万円」が8.8%でした。
また、最多の「1,000~4,999万円」の範囲が広いため、このデータからの平均年収の算出は難しいですが、1,000万円以上の司法書士の割合は40%近くに達していることは注目すべき点です。
司法書士は「稼げない職業」と言われる傾向がありますが、実際には4割近くの開業司法書士が1,000万円を超える年収を得ており、高収入の司法書士は決して少なくないことがわかります。
ただし、司法書士の給与や年収は勤務形態や開業の有無にかかわらず、地域や事務所の規模によって大きく異なるため、個々の状況に差があります。
独立すると、自分で仕事を獲得する必要があり、その結果は営業力や能力次第で大きく異なります。
高い収入を目指すには、司法書士としての専門知識に加えて、集客のコツや営業スキルを身につけることが重要です。
全てが自分の努力にかかっているというプレッシャーはありますが、その分、努力次第で大きな収入を得られる可能性があります。
勤務司法書士の年収
司法書士白書2021年度版にまとめられた令和3年(2021)度の司法書士実態調査の結果によれば、令和元年の勤務司法書士の年収で最も多かった層は「300〜400万円未満」であり、全体の21.0%を占めています。
その次に多いのは「400〜500万円未満」で18.3%、さらに「500〜600万円未満」が15.1%と続いています。
また、勤務司法書士の中で年収が1,000万円以上の人は全体の2.9%に過ぎず、開業司法書士に比べてかなり少ないです。
年収が300〜600万円未満の人が全体の54.3%を占めていることから、平均年収は400万円程度と考えられます。
民間給与実態統計調査結果(令和2年分)によると、給与所得者の平均年収は433万円でした。
このことから、司法書士事務所や司法書士法人に勤務する司法書士の年収は一般的なサラリーマンと大きくは変わらないと考えられます。
勤務司法書士には、スキルを磨いている途中の方が多いため、年収が比較的低めになる傾向があります。
さらに、若手司法書士が多いこともその一因と考えられるため、将来的に独立や開業を目指す方も少なくありません。
企業に勤める司法書士の平均年収400万円に比べて、開業した司法書士の年収が高い傾向にあるのは、キャリアや経験を重ねていることが大きな理由です。
一方で、企業勤務の司法書士も経験を積み、スキルを高めていくことで年収を増やすことが可能です。
また、勤務司法書士の場合、安定して仕事ができるため、安定を重視する方に向いているといえるでしょう。
司法書士の主な業務内容と報酬
司法書士の主な業務はいくつかの種類があり、それぞれの内容に応じておおよその報酬が設定されています。
以下では、司法書士の仕事内容と報酬について説明します。
登記業務に関する報酬
司法書士の登記業務は、主に不動産登記や会社・法人登記に関する手続きを行うものです。
不動産登記は、不動産の取引成立、名義変更、遺産相続による権利移転、さらに賃貸に向けた譲渡などを含む業務となります。
不動産登記の報酬額は、業務の内容や案件の複雑さによって異なりますが、一般的には3〜10万円程度が相場です。
一方、会社・法人登記は、会社設立時の設立登記や、役員変更、増資、本店移転などの手続きを行います。
登記に関する報酬は事務所によって異なりますが、報酬の相場として以下の金額を目安にすると良いでしょう。
登記業務 | 報酬例 |
抵当権抹消登記 | 1万5,000円 |
所有権移転登記 | 5万円 |
抵当権設定登記 | 4万円 |
会社設立登記 | 10万円 |
役員変更登記 | 3万円 |
相続登記 | 5〜10万円 |
裁判所提出書類作成業務に関する報酬
司法書士は、裁判所に提出する各種書類の作成を担う重要な役割を果たしています。
作成する書類は多岐にわたり、主な業務内容とその報酬例は、以下のとおりです。
裁判所提出書類の主な作成業務 | 報酬例 |
相続放棄申立て | 5万円 |
成年後見人選任申立て | 5万5,000円 |
遺言書検認申立て | 3万円 |
上記以外にも多様な書類作成を行っており、報酬額は一般的に3〜5万円程度が基準となっています。
コンサルティング業務に関する報酬
司法書士は、法律に関する相談やコンサルティングを行うことも重要な業務の一つです。
その知識を活かし、企業の法務部で働いたり、またはアドバイザーとして企業経営や財産管理に関するサポートを行ったりすることも可能です。
また、管理職や役員として他社に関わるケースもあります。
コンサルティング業務の費用相場は、顧問契約の場合、月額20〜50万円程度が一般的です。
ただし、時間契約やスポット契約など契約形態によって報酬は異なります。
稼げる司法書士になる3つのポイント
司法書士は難関の国家資格ですが、年収は働き方次第で大きく変わります。
「司法書士として収入を増やしたい」と考えるなら、どのような方法があるでしょうか。
年収アップのポイントを3つ紹介します。
独立開業する
司法書士が年収を上げるためには、独立開業がおすすめです。
開業司法書士は勤務司法書士よりも高い収入を得やすい傾向があります。
独立することで、自分の事務所を経営し、報酬の増加が期待できます。
一般的には、司法書士事務所で経験を積んでから独立するのが通例ですが、早期に独立する方もいます。
司法書士として開業するには、最低でも3年の経験が推奨されていますが、1年未満で独立することも可能です。
独立開業には、仕事が常にあるわけではないというリスクもありますが、事務所経営が軌道に乗れば、収入増加につながります。
自己の成長を重視し、積極的に行動できる方には独立開業がおすすめといえます。
認定司法書士を目指す
認定司法書士は、キャリアアップに有効です。
認定司法書士は、簡裁訴訟代理関係業務を担当できるため、通常の司法書士では対応できない民事紛争の案件を扱うことができます。
簡裁訴訟代理関係業務では、訴訟に関する書類作成や代理業務だけでなく、法廷での弁論も可能です。
ただし、取り扱うのは少額訴訟に限られており、年収の大幅な増加は期待できません。
それでも、認定司法書士を取得することで、より幅広い案件を受けることができ、転職や独立開業時に有利になることがあります。
また、司法書士の74%が認定を受けており、合格率も高いため、取得する価値は十分にあります。
ダブルライセンスを取得する
司法書士以外の専門的な資格を取得することで、より多くの業務に対応できるようになり、収入も増加します。
司法書士だけで活動するよりも、複数の資格を活かすことで年収を大きく向上させることが可能です。
たとえば、司法書士が「行政書士」の資格を取得すれば、相続登記や商業登記において有利になります。
司法書士は登記申請に必要な書類作成と提出代行を独占的に行えますが、官公署に提出する書類に関しては、行政書士の資格が必要です。
行政書士の資格を得た司法書士は、たとえば「相続手続きに関する登記から手続き全般を代行する」「会社設立に伴う許認可取得から登記手続きまで代行する」といった幅広い業務を行うことができます。
これにより、顧客からの依頼にワンストップで対応でき、収入の増加が見込めます。
また、司法書士と税理士や司法書士と土地家屋調査士など、隣接する専門職との組み合わせも相性が良く、これらの資格を持つことで業務範囲をさらに広げれば、収益を上げることができるでしょう。
司法書士が稼ぐための具体的な戦略
独立後に司法書士事務所を順調に運営し、成功へ導くためのコツは、以下の2点です。
- 競合他社との差別化を図る
- 集客力を高める
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
競合他社との差別化
多くの司法書士事務所のなかから選んでもらうには、差別化できる明確な強みを持つことが重要です。
司法書士会への登録者数は、2014年には21,366人でしたが、2023年には23,059人へと増加しました。
全員が司法書士試験に合格し一定以上の知識を持っているため、法律知識だけでは差別化は難しいのが現実です。
開業初期には強みを見つけるのが難しいかもしれませんが、たとえば「不動産登記に特化」「中小企業経営に強い」といった専門分野を明確にすることが、競合との差別化につながります。
集客力を高める
司法書士として独立し、成功するには集客力の向上が欠かせません。
効果的な集客方法として、ホームページの作成やWEB広告を活用したり、異業種交流会で人脈作りをしたりすることが挙げられます。
特に他士業との関係を築き、業務を円滑に進めることで、継続的な紹介を得られる可能性が高まります。
また、顧客対応を丁寧に行い、良い口コミを生むことも重要です。
さらに、複数の集客手段を試し、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて効果的に組み合わせることが、効率的な集客を実現する鍵です。
集客方法に優先順位をつけ、注力する分野を明確にすることで、売上向上と年収アップが期待できます。
稼げる司法書士になるためのおすすめの集客方法
司法書士におすすめのオンライン集客方法とオフライン集客方法を紹介します。
自社に最適な集客方法をぜひ確認してみてください。
オンライン集客方法
司法書士がオンラインで集客力を高めるための具体的な方法として、以下のアプローチが効果的です。
ホームページの作成 | 事務所の基本情報や業務内容、問い合わせフォームを掲載する |
SEO対策の実施 | 検索エンジンでの上位表示を目指す |
リスティング広告の活用 | キーワードを活用した広告表示でより多くの顧客に情報を届ける |
SNSの活用 | SNSを使って継続的に情報発信を行う |
司法書士ポータルサイトの利用 | 顧客が求める情報を入力して登録を行う |
これらの方法を組み合わせて活用することで、オンラインでの集客力を高めることができます。
特に司法書士ポータルサイトへの登録は、比較的簡単にできるので、まずはできる施策から行っていくのが良いでしょう。
オフライン集客方法
オフラインでの集客は、顧客と直接対面することで信頼感を築ける有効な方法といえます。
司法書士におすすめのオフライン集客方法は、以下のとおりです。
セミナーの開催 | 広く知識を伝えるよりも、一つの分野に絞って深掘りする構成にする |
相続相談会の開催 | セミナーとセットにして開催するのがおすすめ |
これらの方法を実践することで、地域密着型の信頼関係を築きながら、司法書士の専門性をアピールし、新たな顧客獲得につなげることができます。
オフラインならではの「顔が見える安心感」を最大限に活用しましょう。
集客力を高めて年収をアップさせよう!
司法書士は比較的高収入を得やすい職業です。
また、独立開業がしやすく、自由な働き方を実現できる点も大きな魅力です。
社会人として働きながら司法書士の資格取得を目指す人も多く、30代や40代で合格し、第二のキャリアを築くケースが増えています。
そこで、開業司法書士が収入を増やすために集客力の向上が欠かせません。
新規顧客の獲得と安定した業務量を確保するために、オンラインとオフラインの集客方法を効果的に組み合わせ、自社に合った戦略を実践することで年収アップを目指しましょう。
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