商社時代に学んだ「決まる提案資料テンプレ」を、中小企業Webサイトに移植する5ステップ【2026年版】
「Webサイトを作ったのに、問い合わせが増えない」――この悩みの原因の多くは、デザインでも文章力でもなく、サイトの”構成”が間違っていることにあります。
私は商社で鉄鋼の輸出入営業を7年経験し、その間に300回以上の提案資料を作りました。そこで叩き込まれた「決まる提案資料の型」を、独立後、中小企業のWebサイトに移植してきました。
結果わかったのは、「決まる提案資料の構成」と「成果が出るWebサイトの構成」は、ほぼ同じだということです。
本記事では、その型と移植方法を5ステップで具体的に解説します。
はじめに:商社時代に300回以上書いた「決まる提案資料」
商社の法人営業では、提案資料がすべてでした。決済者である課長・部長・経営層に、限られた時間で「YES」と言ってもらうための設計図が提案資料です。
商社で鉄鋼の輸出入営業7年。先輩から徹底的に叩き込まれたのは、「提案資料には決まる型がある」ということでした。
そして独立後、その型をWebサイトのLP・サービスページに移植したところ、成約率が明確に変わりました。なぜなら――Webサイトの訪問者も、提案を受ける決済者と同じ思考プロセスをたどるからです。
商社の「決まる提案資料」5要素
決まる提案資料には、必ず次の5要素が、この順番で入っています。
| 要素 | 内容 | 役割 |
|---|---|---|
| ① 顧客課題の言語化 | 「御社はこんな課題をお持ちですよね」 | 共感・自分ごと化 |
| ② 選択肢の整理 | 「解決策にはA・B・Cがあります」 | 比較・差別化 |
| ③ 提案内容の具体化 | 「弊社のご提案はこうです」 | 実現可能性 |
| ④ 実績・事例 | 「同業のA社では成果が出ました」 | 信頼 |
| ⑤ 次のアクション | 「まずは○○から始めましょう」 | クロージング |
この5要素を、Webサイトの各パーツに移植していきます。
【ステップ1】要素①の移植:顧客課題を「サイト訪問者の悩み」に変換
提案資料の冒頭1ページ = LPのファーストビュー
提案資料は、冒頭で必ず「相手の課題」から入ります。いきなり「弊社の商品はこちらです」とは始めません。
Webサイトのファーストビュー(最初に見える画面)も同じです。「自社が何者か」より先に、「訪問者の悩み」を提示します。
- ❌ 「株式会社○○のホームページへようこそ」
- ⭕ 「BtoBサイトからの問い合わせが月3件以下で悩んでいませんか?」
「3秒で離脱しない」キャッチコピーの作り方
商談では最初の30秒が勝負です。Webでは最初の3秒で離脱が決まります。
ファーストビューに入れるべきは:
- 訪問者の悩み(こんなことで困っていませんか)
- 解決の約束(それ、解決できます)
- 根拠の一言(○○社が成果を出した方法)
提案資料の表紙で「相手の関心を掴む」のと、まったく同じ発想です。
【ステップ2】要素②の移植:選択肢の整理 = サービス比較表
自社サービスと「他社の選択肢」を並べる勇気
決まる提案資料は、必ず「選択肢」を提示します。「弊社しかありません」ではなく、「A社・B社・弊社、それぞれにこういう特徴があります」と整理するのです。
これは一見、競合を紹介するようで損に見えますが、選択肢を整理してあげること自体が信頼につながり、結果的に自社が選ばれます。
Webサイトでも同じです。サービス比較表を載せることで、訪問者は「自分で比較した上で選んだ」という納得感を持てます。
比較表が中小企業サイトに少ない理由と、入れるメリット
中小企業サイトに比較表が少ないのは、「競合と比べられたくない」という心理からです。しかし実際には:
| 比較表がないサイト | 比較表があるサイト |
|---|---|
| 訪問者が自分で他社と比較(離脱) | サイト内で比較が完結 |
| 選ぶ基準がわからない | 選ぶ基準を提示できる |
| 価格だけで判断されがち | 価値で判断してもらえる |
比較を避けるのではなく、比較の土俵を自社で用意する。これが営業の発想です。
【ステップ3】要素③の移植:提案内容の具体化 = フロー図と料金プラン
提案資料の「進め方ページ」をサイトの「ご利用フロー」に
決まる提案資料には、必ず「導入の進め方」が図解されています。「契約したら何が起こるか」が見えないと、相手は不安で決断できないからです。
Webサイトにも、「お問い合わせ後、どう進むか」のフロー図を必ず入れます。
お問い合わせ → 無料相談(30分)→ お見積り → ご契約 → キックオフ
この一枚があるだけで、訪問者の「この後どうなるんだろう」という不安が消えます。
「料金が分からない」サイトが嫌われる理由
商談で「お見積りは追って」と言うと、相手は警戒します。Webでも、料金の手がかりがゼロのサイトは敬遠されます。
すべての料金を出す必要はありませんが、「目安」は示すべきです。
- ❌ 料金の記載が一切ない
- △ 「お問い合わせください」のみ
- ⭕ 「月額○万円〜」「○万円〜(規模により変動)」
価格の透明性は、信頼の前提条件です。
【ステップ4】要素④の移植:実績・事例 = 数字 × 顔写真 × 業種
提案資料の事例ページをサイトの「お客様の声」に
決まる提案資料の事例ページは、必ず「業種 × 具体的な数字」で書かれています。「多くのお客様にご満足いただいています」では決まりません。
Webサイトの「お客様の声」「導入事例」も同じです。
| 弱い事例 | 決まる事例 |
|---|---|
| 「満足しています」(A様) | 「製造業/問い合わせが月3件→15件に」(A社・写真付き) |
| 「おすすめです」 | 「結婚式場/予約数が前年比181%」 |
「導入実績○○社」よりも「業種別 × 数字」が刺さる理由
「導入実績500社」という数字も悪くありませんが、見込み客が本当に知りたいのは「自分と同じ業種・規模で成果が出たか」です。
だから、業種別に1〜2社ずつ、顔写真と数字付きで事例を載せる方が、はるかに刺さります。営業現場で「御社と同じ製造業のA社では…」と語っていたのと同じです。
【ステップ5】要素⑤の移植:次のアクション = CTA設計
提案資料の最終ページ「ご検討よろしくお願いします」が決まらない理由
提案資料の最後を「ご検討よろしくお願いします」で終える営業は、二流です。決まる営業は、必ず「次の具体的な一歩」を提示します。
Webサイトのコール・トゥ・アクション(CTA)も同じです。「お問い合わせはこちら」だけでは、訪問者は動けません。
サイトのCTAボタン3パターンの使い分け
訪問者の検討段階に合わせて、複数のCTAを用意します。
| 検討段階 | CTA | 心理的ハードル |
|---|---|---|
| 情報収集中 | 資料ダウンロード | 低 |
| 比較検討中 | 無料診断・事例集 | 中 |
| 導入検討中 | 無料相談・問い合わせ | 高 |
「問い合わせ」という高いハードルしかないサイトは、まだ温まっていない見込み客を取りこぼします。低いハードルの入口を必ず用意しましょう。
5ステップを統合:Webサイト改善チェックリスト20項目
自社サイトを、提案資料の発想で点検してみてください。
① 顧客課題(ファーストビュー)
- [ ] 訪問者の悩みから始まっているか
- [ ] 3秒で「自分ごと」と感じられるか
- [ ] 解決の約束が明確か
- [ ] 根拠の一言があるか
② 選択肢の整理
- [ ] サービス比較表があるか
- [ ] 選ぶ基準を提示しているか
- [ ] 自社の強みが比較で際立つか
- [ ] 価格以外の価値を示せているか
③ 提案の具体化
- [ ] ご利用フロー図があるか
- [ ] 料金の目安を示しているか
- [ ] 契約後のイメージが湧くか
- [ ] よくある質問に答えているか
④ 実績・事例
- [ ] 業種別の事例があるか
- [ ] 具体的な数字が入っているか
- [ ] 顔写真・実名(許可済)があるか
- [ ] 自社と同じ規模の事例があるか
⑤ 次のアクション
- [ ] 検討段階別にCTAがあるか
- [ ] 低ハードルの入口があるか
- [ ] CTAボタンが目立つか
- [ ] 問い合わせ後の流れが見えるか
20項目中、いくつクリアできましたか?クリア数が多いほど、「営業現場で通用するサイト」に近づいています。
まとめ:Webサイトは「24時間動く提案資料」
商社で7年、提案資料を300回以上作ってきた経験から断言できます。
Webサイトは「24時間働く提案資料」です。
優秀な営業マンの提案資料が「決まる型」を持っているように、成果が出るWebサイトも同じ型を持っています。
- ① 顧客課題の言語化
- ② 選択肢の整理
- ③ 提案の具体化
- ④ 実績・事例
- ⑤ 次のアクション
逆に言えば、提案資料の型を知らないままサイトを作ると、デザインがいくら綺麗でも成果は出ません。
「サイトはあるけど提案資料のように機能していない」――そう感じたら、ぜひこの5ステップ・20項目で自社サイトを点検してみてください。提案資料が書ける経営者なら、成果の出るWebサイトも必ず作れます。
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著者:稲垣 達也
ドットアンドノード株式会社 代表取締役
横浜国立大学経済学部卒。商社で鉄鋼の輸出入営業に7年従事後、大手不動産仲介FC(全国550店舗規模)の店長として営業の最前線へ。商社・不動産あわせて計9年の営業現場を経験。2019年に独立、2023年12月にドットアンドノード株式会社を設立。
約50業種・累計10,000記事以上のWeb集客を支援。掲載メディアは @DIME、All About、東洋経済オンライン、朝日新聞デジタルなど60媒体以上。
保有資格:宅地建物取引士/相続診断士/Google広告認定スコア100点
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