
司法書士の独立までの流れを解説!必要な資金や成功のためのポイントとは?
司法書士として実務経験を積み、「そろそろ独立したい」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ独立を本気で意識し始めると、現実的な問題が次々と浮かび上がってきます。
「独立までに何をすべきか?」「資金はどれくらい必要なのか?」など、多くの疑問を抱えている方もいるでしょう。
この記事では、司法書士試験合格から独立までの流れはもちろん、必要な資金や成功するためのポイントを詳しく解説します。
司法書士は独立する人が多い?
司法書士は弁護士や税理士と同じく、独立しやすい資格の一つです。
実際、司法書士は独立する人が多く、全体の80%程度の司法書士が独立開業をしています。
独立を選ぶ司法書士が多い理由として、次のような理由が挙げられます。
- 廃業率が約3%と低く、安定した職業である
- 開業にかかる費用が比較的低い
- 仕事に対する自由度がより高くなる
- 年収アップが見込める
ただし、独立開業すればすぐに成功するというわけではないので、着実に必要なステップを踏んで独立することが重要です。
また、独立後も顧客を獲得するための施策が必要なので、併せて頭に入れておきましょう。
司法書士試験合格後から独立までの流れ
司法書士試験合格後から独立までの流れは、以下のとおりです。
- STEP1:司法書士試験に合格する
- STEP2:新人研修を受講する
- STEP3:司法書士としての登録をする
- STEP4:実務経験を積む
- STEP5:開業計画・資金計画を立てる
- STEP6:物件などを準備する
- STEP7:各種登録と届出を行う
- STEP8:営業活動と集客を行う
司法書士として独立開業するまでの流れを8つのステップで解説していきます。
STEP1:司法書士試験に合格する
司法書士になるためには、司法書士試験に合格する必要があります。
司法書士試験の合格率は約5%と低く、難関資格と呼ばれる資格の一つです。
しっかりと対策を行い、まずは司法書士試験の突破を目指しましょう。
STEP2:新人研修を受講する
司法書士試験に合格したら、日本司法書士会連合会が実施する下記の3つの新人研修を受講することになります。
- 中央新人研修
- ブロック新人研修
- 司法書士会新人研修(配属研修)
新人研修のうち、中央新人研修とブロック新人研修は、司法書士になるためには全員が必ず受講する必要がある必須研修です。
一方、司法書士会新人研修(配属研修)は原則、希望者のみが受講するものとなっているという違いがあります。
中央新人研修とブロック新人研修では、主に司法書士の歴史や責務をはじめ、司法書士として業務を行ううえで最低限必要となる知識を学びます。
その後、配属研修で近隣の司法書士事務所に配属され、実際に事務所が取り扱う案件を通じて、実務を学ぶというのが基本的な研修の流れです。
なお、一部、配属研修の受講も必須になっている地域の司法書士会があるので、詳しくは所属の司法書士会で確認してください。
STEP3:司法書士としての登録をする
新人研修が終わったら、日本司法書士会連合会に登録申請を行います。
司法書士登録の申請手続きは、司法書士事務所を置く地域を管轄する法務局または地方法務局管轄区域内の司法書士会が窓口です。
登録が完了すると、司法書士として正式に活動ができるようになります。
なお、司法書士の登録やそれに付随する申請手続きなどには、費用がかかります。
所属する司法書士会によって、細かな金額や支払い方法は異なるので、下の表を参考に、詳しい金額などは所属司法書士会で確認しましょう。
項目 |
費用 |
---|---|
司法書士会登録手数料 | 2.5万円 |
登録免許税 | 3万円 |
入会金 | 2.5〜5万円 |
会費 | 20〜30万円(年間) |
STEP4:実務経験を積む
司法書士として独立開業するには、既存の司法書士事務所で実務経験を積むことが望ましいとされています。
どのくらいの期間、実務経験を積むかというのは人によって異なりますが、一般的には3〜10年程度の実務経験を経て、独立開業するケースが多いです。
実務経験のなかで、特に経験しておくべき業務として下記のような内容が挙げられます。
- 商業登記手続き
- 不動産登記手続き
- 相続・遺言作成業務
- 裁判関連業務
これらはいずれも司法書士の基本的な業務で、独立開業後も受注機会が多いため、しっかりと対応できるように実務のなかで対応力を磨くことが重要です。
また、司法書士業務自体だけでなく、依頼者とのコミュニケーションスキルの向上や、他士業との連携方法の習得も意識して勤務すると、独立する際に役立ちます。
実務のなかで起こるトラブルへの対応方法など、ほかの司法書士から学べる技術は積極的に吸収することをおすすめします。
STEP5:開業計画・資金計画を立てる
独立開業の準備を本格的に進めるには、まず開業資金や事務所運営における計画を立てる必要があります。
特に、資金計画は重要で、必要な資金を自己資金で準備するのか、融資を受けるのかなど、決定しなければならないことも多々発生します。
なお、公的機関や金融機関から融資を受ける場合には、必要な書類の準備や審査に時間がかかるので、スケジュール的に余裕を持って準備を進めるようにしましょう。
STEP6:物件などを準備する
事務所を構える場所を詳細に決め、物件を準備します。
事務所の立地は、集客に直接的に大きく影響を与える重要な要素です。
慎重に検討してから物件準備や設備投資などを行いましょう。
ただし、物件に費用をかけすぎると、毎月の経費がかさんでしまうので、賃料と利便性の均衡が取れているかよく考える必要があります。
STEP7:各種登録と届出を行う
独立開業準備ができたら、開業届を税務署に提出し、確定申告を青色申告で行えるように準備しておきましょう。
確定申告を青色申告で行うと、さまざまな面で節税効果が得られます。
忘れないように早めに手続きしておくことが重要です。
STEP8:営業活動と集客を行う
いざ独立開業まで漕ぎつけたら、営業活動と集客を行う必要があります。
司法書士事務所を立ち上げても、事務所の知名度や実績がほとんどゼロの状態では、勝手に案件は舞い込んできません。
特に、今の時代は「まずネットで検索する」というのが当たり前になっており、Webを活用した集客は重要な手段となっています。
ホームページやSNS、Googleビジネスプロフィールの整備など、オンラインでの存在感を高める工夫が求められます。
そうはいっても、開業直後は日々の業務に追われ、集客まで手が回らないケースも少なくありません。
そのようなときは、Webマーケティングの専門家に依頼することで、より効率的かつ効果的に見込み客を獲得できる可能性が高まります。
司法書士は独立までにいくら資金が必要?
司法書士の独立までに必要な費用の目安は、以下の表のとおりです。
費用の項目 |
金額の目安 |
---|---|
司法書士登録関連 | 約30万円 |
事務所物件関連(敷金礼金含む) | 50〜100万円 |
事務所設備 | 10〜30万円 |
ホームページ・Web集客・広告 | 20〜40万円 |
備品費用 | 約10万円 |
当面の運転資金 | 100万〜200万円 |
司法書士は、比較的少ない費用で開業できる職業の一つではありますが、それでも独立に必要な準備費用としておおよそ200万円程度は見込んでおく必要があります。
また、開業してからしばらくの間は依頼も少なく、収入が安定しない可能性が高いことを考慮して運転資金をあらかじめ確保しておくことも重要です。
目安として、100〜200万円程度を運転資金として確保しておくと良いでしょう。
これらを合わせると、独立開業に必要な総額はおよそ300〜400万円ほどになると考えられます。
全て自己資金でまかなうことができるのか、融資を活用するべきなのか、よく検討して資金計画を立てることが重要です。
司法書士の独立を成功させるためのポイント
司法書士として独立するだけでは安定した収入を得ることは困難で、独立を成功させるにはポイントを押さえた行動が不可欠です。
独立前から、独立後を見越してしっかりとした準備を行い、競合の他事務所に勝てるスキルや営業力を身につけることを意識しましょう。
司法書士の独立を成功させるポイントは、下記のとおりです。
- 得意分野を作り、実績を積む
- 営業力をつける
- Web集客を活用する
- 競合との差別化をはかる
- 他士業と連携して仕事を獲得する
それぞれ解説します。
得意分野を作り、実績を積む
司法書士業務は、不動産登記や商業登記、相続手続き、裁判書類作成など、多岐にわたります。
全ての業務を幅広く取り扱うということも可能ではありますが、その中でも得意分野を作って実績を積んでいくことが重要です。
得意分野を持つメリットとして、下記のような内容が挙げられます。
- 競合との差別化ができる
- 専門性の高さで、新規の依頼が増えやすくなる
- 顧客満足度が上がり、紹介につながりやすくなる
独立開業前に実務経験を積んでいくなかで、自分が特に多く対応したことがある分野を中心に、自信を持ってこなせる業務が何かを明確にしておきましょう。
営業力をつける
司法書士と「営業力」はあまり結びつきがないイメージがあるかもしれませんが、司法書士にとって営業力は重要なスキルの一つです。
独立後は、経営者としての視点を持ちながら、積極的に営業を行うことが成功のポイントとなります。
特に、独立開業直後は知名度が全くない状態なので、受け身では仕事を獲得することは難しいでしょう。
司法書士ができる営業方法は、下記のとおりです。
- 異業種交流会や勉強会に参加して人脈を構築する
- 顧客や取引先などに積極的に名刺を配る
- 地元の不動産会社や金融機関と関係を築く
- 過去の顧客から紹介案件をもらえるよう促す
司法書士の場合、営業といっても、飛び込み営業のような類の営業を行うのではなく、あくまでも人とのつながりを広げることを意識した行動が求められます。
一度案件の依頼を受けたら、その顧客はリピーターや紹介者になってくれたり、良い口コミを広めてくれたりする可能性があります。
そのため、顧客一人一人に丁寧に対応するといった基本的なことも重要です。
Web集客を活用する
デジタル化が進んだ現代では、司法書士を探す際にもインターネットを活用する人が増えているので、Web集客の活用の重要度が高くなっています。
特に、ホームページはインターネット上での事務所の顔となるので作成が必要不可欠です。
それ以外にも、SEO対策の実施やWeb広告の活用、ブログのコンテンツ発信など、Web集客で取り組むべきことは多岐にわたります。
とはいえ、Web集客には専門的な知識が必要となる部分が多く、司法書士としての本業と並行して全てを自力で行うことは不可能といえるでしょう。
自分自身で担うことが難しい部分に関しては、専門知識を持つプロに依頼して効率的にWeb集客を進めていくのがおすすめです。
競合との差別化をはかる
司法書士として独立開業を成功させるには、ほかの司法書士との差別化が必要不可欠です。
差別化できるポイントとしては、以下のような点があります。
- 特化できる専門分野を持っている
- 夜間休日対応などの柔軟な対応をアピールする
- オンライン相談に対応する
- 料金を明確化して安心感を与える
たとえば、「平日は仕事で時間が取れない」という顧客をターゲットに、夜間や休日に相談対応をすることでほかの司法書士との差別化が可能です。
また、LINEやZOOMでのオンライン相談に対応することも、忙しい顧客や遠方の顧客などにとってメリットが大きいので、差別化のポイントになります。
他士業と連携して仕事を獲得する
弁護士や税理士、行政書士などの他士業と連携することで、仕事の幅が広がって集客につながります。
他士業からの案件紹介を受けられるのはもちろん、顧客にとってもワンストップサービスが受けられるという点で顧客満足度が向上するというのもメリットです。
また、司法書士だけで完結するのが難しいような大規模な案件にも対応できるようになります。
士業間で、双方がメリットが得られるような良好な関係を構築していくようにしましょう。
司法書士の独立に関するよくある質問
ここまで、司法書士試験合格から独立までの流れや必要な資金、成功するためのポイントについて解説してきました。
以下では、司法書士の独立に関するよくある質問に対する回答をお伝えしていきます。
司法書士として独立するには実務経験が必須?
結論からいうと、司法書士試験に合格し、必要な登録を行えばすぐにでも独立することは可能です。
ただし、実務経験なしで独立して司法書士として事務所経営を成功させるというのは厳しいというのが現実です。
もちろん、基本的な知識は司法書士試験までの勉強や新人研修の間に身につけられます。
しかし、司法書士が扱う案件には、どうしても実際に案件を通して経験しないと学べない部分が多いため、実務経験なしでいざ案件に対面すると対応しきれない可能性があります。
実務経験なしで独立することは不可能ではないが、成功させるためには、かなりの対策や努力が必要になるということを頭に入れておきましょう。
何年程度で独立する司法書士が多い?
司法書士が独立するタイミングは人によって異なりますが、一般的には3〜10年程度の実務経験の後、独立するケースが多いです。
独立後に事務所経営を安定させるためには、実務経験のなかで、より多くのことを吸収しておくことが重要になります。
取り扱う業務に対する十分な知識と、事務所運営のためのスキルを得てから独立開業することをおすすめします。
司法書士の成功には独立までの準備とWeb集客が重要
この記事では、司法書士が独立するまでの流れやポイントを解説しました。
司法書士は比較的独立しやすい職業とはいえ、安定した経営を目指すには、専門知識だけでなく、「営業力」や「集客力」といったスキルも欠かせません。
特に、Web集客の活用はデジタル化が進んだ社会で広域から顧客を獲得するために、大きなポイントとなります。
しかし、Web集客は専門的な知識が求められるため、独自に運用していくことは困難です。
独立開業後にスムーズに運営を軌道に乗せるためにも、Web集客は専門家に依頼することをおすすめします。
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