EC・SNS導入事例 / 伝統工芸 × Web集客
縮小していく業界で、なぜ売上が3倍になったか?静岡の雛人形工房 株式会社左京 × ドットアンドノード インタビュー
100年続く静岡の雛人形工房・株式会社左京様。子供の数が減り、市場が毎年縮小していく業界で、Amazonには3,000円の雛人形が並ぶ──。その隣で、20万円のオーダーメイド雛人形をどう売るか。4代目・望月琢矢様が選んだのは、「大人の雛人形」というコンセプトと、Web集客の徹底的な見直しでした。結果、初年度で前年比2.8倍の売上、翌年には店舗売上をEC売上が追い抜くことに──。
同じく中小企業のWeb集客で成果を出した事例は ダブルブリッジ様のSEO導入事例 もあわせてご覧いただけます。
4年間の伴走で達成した成果
- 初年度 売上 前年比 2.8倍
- 店舗売上を EC売上が追い抜き、以降毎年更新中
- 当初は静岡市周辺のみ → 全国販売へ展開
- Instagram フォロワー 18,000人以上
- 代理店からの 指名仕入が増加
- サイト制作費は 補助金を活用
本記事の内容
プロジェクト概要




ストーリー概要
左京様との出会いは2019年、コロナ禍が始まる頃。「売上を伸ばしたい、効率的に販売したい」というご相談から、全体の販売戦略を一緒に考えていくことになりました。
商品コンセプトの設計、販売戦略の見直し、広告戦略の立て直し──試行錯誤の結果、初年度で前年比2.8倍の売上を達成。
ECの再構築から1年足らずで、店舗売上をオンラインDtoC売上が追い抜き、翌年・翌々年もその売上を更新し続けています。
「縮小していく業界でも、やりようによって売上は伸ばせる」──その実例を、4代目・望月琢矢様の言葉から振り返ります。
Site Data
| Client | 株式会社左京 |
|---|---|
| URL | https://sakyou.co.jp/ |
| Project | ECサイト・オフィシャルサイト(コンセプト設計/広告運用/SNS伴走) |
| 期間 | 2019年〜(4年継続) |
ECサイトを自分で作ってみた【望月談】
稲垣さんと一緒にECサイトを構築する前、実は自社でBASEを使ったECサイトの仕組み自体は構築していました。とはいえご多分に漏れず、そこから雛人形が売れていくということはなく、放置状態。どこがいいのか、改善方法もわからない状態でした。
SNSはコツコツ取り組みがあって、そこからメールでのやり取りで販売もしていたのですが、「ここの色を変えてほしい」「この組み合わせは試せますか?」など細かいやり取りで、本当に毎日1時・2時まで対応している状態が2年くらい続きました。
そのときから「自動的に買ってくれるようにならないかな」というのはずっと思っていて、その辺を稲垣さんにまるっと相談していました。
実は他にもEC業者さんに相談していて、「200万円ですよ」「うちなら50万円で作ります」など、いろいろ言われていたんですけど──。
からの振り出しに戻る
稲垣さんに相談した時、最初に 「まず、作ったところで人来ないと思うよ」 と言われ、そこから考えなきゃね、というところで本当に振り出しに戻った感じになりました(笑)。
このままECを作り直しても売れるかわからない、という前提で、“売れる”という確証が持てるところまで設計する──を共通認識として進めていきました。
そこから、業界分析や差別化についても一緒に考えていくことになります。
課題の認識
業界として
雛人形業界は、なんとなくわかるかもしれませんが、毎年市場が小さくなっていく業界です。子供の数は減り、昔は七段飾りも普通でしたが、今はお内裏様とお雛様くらい。単価も落ちている。小さくなっていくパイの中でいかにシェアを取るかという戦いになっています。
※参考:縮小市場で中小企業が取るべきWeb集客戦略については 中小企業SEO完全ガイド でも詳しく解説しています。
価格を上げたい
その中でクオリティを上げていく必要もありました。何個売るために何人集客するか、そのためにいくらの予算をどこに広告するか──基礎データを積み上げていきました。すると、不採算商品・不採算取引先が出てくる。これらは早々に判断してバサバサ切っていきました。
そもそも単価のいい商品なので、安売りとは相性が悪い。今振り返ればよくわかります。
売れる仕組みを考える
その前提で、どういった仕組みで売るか/どんな商品を売るか/誰に売るか──を一緒に考えていきました。
雛人形はAmazonで検索すると、アンパンマン雛人形が3,000円くらいで出てきます。その横で20万円の商品を売るのは、なかなかしんどい。真正面では戦えない。
そこで、「あなただけの商品。満足いくオーダーメイド」──簡単に言えば上品で価値の高いもの、という訴求にしていく方向を見出しました。
売れるコンセプトとは「大人の雛人形」
最初に手をつけたのはコンセプトの設計です。商品のパーソナリティ自体はすでにあると思っていました。そこに付加価値的に個人個人へのオーダーメイド要素を入れていく──これがAmazonへの対抗手段だと考えました。
長くなるので結論を言えば、たどり着いたのは 「大人の雛人形」「大人の五月人形」 というコンセプトです。
雛人形の本来の価値や美しさを認識できるのは子供じゃ無理。大人になってからのもの。子供に喜んでもらうのではなく、子供の成長を願う”親”に対してその価値を十分に伝えていく──このコンセプトに着地しました。
左京は伝統的な技法で雛人形を作成しています。100年続くこの会社では、今主流のプラスチックや簡易・廉価素材はほとんど使いません。昔からの技法・素材で、わかる人にはわかる高品質のものを作っています。
これをいかに伝えていくかが、今回の最大の課題でした。
決めるまでには紆余曲折ありました。「そもそも何で買ってくれるんだろう?」という雛人形自体の価値についてディスカッションしたり、「どうやって発送する? そもそもオンラインでポチってくれるものなのか?」と Facebook アンケートを回したり、Google フォームでバリエーション別の希望を取ったり、何度も検証を回しました。
販売までの流れ構築
コンセプトが決まったので、それに沿ってコーポレートサイト・LP・ECサイトの作成に取りかかっていきました。
品質の高さ/商品としての魅力/他社との違い/どんな方に向いているか──伝え方についてかなり綿密に打ち合わせしました。
お客様との最初の接点は、広告とInstagramの運用を中心に考えました。
広告からLPに誘導し、そこで価値を説明する時間を十分にとる。さらに興味を持っていただいた方にはカタログ請求で連絡手段を確保しつつ、実際の風合いに近いカタログをご覧いただく。現物を見たい方には近隣の代理店へご案内する。そんな流れで設計しました。
広告をしっかり運用してみたら全然違った
Web広告は以前から使っていましたが、それまでの広告代理店は「言われたからこのキーワードに、この予算で出しました」というだけで、そこからどんなお客さんがどう動いているか、まで踏み込んでくれなかった。ちょっと頼りにならないな、と感じていました。
その時に、広告代理店のレポートを利用できるかなど稲垣さんと話をして、運用を交代。広告の最適化が大事だよね、というところを一緒にやっていきました。
専門的な話になりますが、要は「いくら広告を打つといくらで売れるか」の指標ができないと、広告を出している意味がない。見る人/問い合わせる人/購入する人が何人なのかを測れる状態にして初めて意味があります。
副次的な効果として、運用を積み上げていくとお客様リストができてくる。「次にこの方たちへ違うものを売れないか」という発想も生まれています。
広告の試行錯誤
広告の最適化にあたって、結構試行錯誤もしました。地域を細かくカテゴライズしたり──。
元々、静岡県外に売るつもりはなかったんですよ。「静岡市周辺で店に来れそうで来れない、くらいの距離の方にお届けしたい」と稲垣さんに相談したのが最初でした。
とはいっても 「県外や全国でも出しておこうよ」 と言われて出してみたら、意外に静岡県内よりも県外の方の反応が良かった。それから全国販売の流れになりました。
ターゲット層の設定もそうです。雛人形はお孫さんへの贈り物として祖父母が払うパターンが多いので、60代前半と30代の2種類で広告を出したのですが、意外と60代に反応が良くなかった。やっぱりやってみないとわからない、というのが正直なところでした。
SNS活用
SNSはInstagramを中心に活用し、雛人形の美しさや歴史、様々なバリエーションについて投稿を続けました。結果、Instagramでは18,000人以上のフォロワーを獲得できています。
※参考:AI検索時代にSNS・自社サイトをどう連携させるかは AI検索時代のSEO/AIO/GEO/LLMO 完全ガイド をご覧ください。
初年度の結果
詳しい数字は控えますが、初年度から本当に多数のカタログ請求をいただきました。そこからオンライン販売サイトへご案内させていただき、本当に多くの販売を実現できるようになりました。
少し話が逸れますが、地方の代理販売店からの弊社指名の仕入も増えました。これは代理店への弊社のアピール力が増しているとも言えます。名指しされたら仕入れるしかないですからね。代理店との交渉力・存在感のようなものを高めることもできた、と感じています。
補助金の活用
サイトの作成費用については補助金を利用しました。補助金の申請書類の作成についても、稲垣さんと相談しながら進めた感じです。
稲垣談|どんな業界でも、まだやれることがある
左京様とのお付き合いは今も続き、4年目を迎えます。毎年新しい取り組みを重ね、試行錯誤は続いています。
業界としては一般的に「難しい」と言われる業界だったかもしれませんが、やりようによっては、かなり大きく売上を伸ばせる──その実例を証明できた一件だったと思います。
どんな業界でも、まだまだやれることはあります。
同業界に同じような取り組みがなければ、逆にチャンスは大きい。良い商品を、もっと多くの方に届けていくチャレンジを、一緒にやっていきませんか?
同じような業界の経営者の方へ
「縮小していく業界」「Amazonとの価格競争」
──そんな構造で悩んでいませんか?
左京様のように、コンセプト設計から広告・SNS運用まで一貫した伴走で、Web集客は大きく変わります。まずはお気軽にご相談ください。診断は無料、しつこい売り込みはいたしません。

望月 琢矢 / Mochizuki Takuya
静岡の雛人形工房 株式会社左京 4代目
1991年生まれ / 静岡県出身
https://sakyou.co.jp/
雛人形職人として技を磨きながら、デザイン・商品開発・企画・マーケティングなど何でもやっています。これからの雛文化について、一生懸命考えながら向き合っていきます。

稲垣 達也 / Tatsuya Inagaki
ドットアンドノード株式会社 代表取締役
1984年生まれ / 岐阜県出身
https://dot-node.com/
士業、自治体、飲食、トレーナー、橋梁、英会話など、様々な分野の集客・売上アップのコンサルをしています。売上を上げるためなら手段にこだわらない、という姿勢でいつも新しいことに挑戦中。
- 結婚式場の集客:新規マーケット開拓。コロナ期間に同業が売上80%以上落としている時期にフォトウェディングのコンセプトを見出し、181%増の売上(改善幅数千万円)。→ 詳細はサンタ・アムール導入事例へ
- 農家のBtoC初進出:クラウドファンディングで1,070万円達成(目標の21倍)。1,000万円分のメロンの廃棄を防ぎ、ファンを740人獲得。
- 初めてネット通販に進出する企業支援:4ヶ月で3,000件以上の見込み客獲得。主力売上が店舗からD2Cへ。
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※本記事は2022年2月24日に静岡県ツインメッセで行われた「するがクリエイティブ」講演会の内容をベースに構築し、その後の経過を踏まえて再構成しています。