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司法書士が独立するのは難しい?開業戦略やメリット、手順を徹底解説

司法書士の方のなかには「そもそも独立開業はした方がよいのか」「独立開業をするならいつどのようにすべきか」など、疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、司法書士が独立開業をするうえで知っておくべきこととして、メリットや開業手順、成功と失敗を分けるポイントについて詳しく解説します。

司法書士として独立開業を視野に入れている方はぜひ参考にしてみてください。

司法書士が独立して開業するのは難しい?

司法書士資格を取得すれば、事実上、すぐにでも独立開業は可能です。

ただし、司法書士が独立開業をして安定した収入を得るためには、実務経験を積んでからの開業が望ましいといえます。

その理由として、一般的に司法書士が独立開業をするまでには、3年程度の下積みを経験する方が多い傾向にあります。

そのため、まずは既存の司法書士事務所で実務をこなしながら自分自身の司法書士としてのスキルを磨くとともに、事務所運営の基本ノウハウを学ぶのがおすすめです。

司法書士として独立開業するメリット

司法書士として独立開業するメリットとして、下記の5つの点が挙げられます。

  • 比較的少ない費用で開業できる
  • 年収アップ・高収入が狙える
  • 自分の裁量で仕事の時間の融通がきく
  • 廃業のリスクが低い

それぞれのメリットについて、順に見ていきましょう。

比較的少ない費用で開業できる

司法書士事務所の独立開業は、比較的少ない費用で実現できる点が大きなメリットです。

たとえば、飲食業や物販業では、物件費や内装工事、設備投資に加えて、材料費や商品の仕入れ、人件費など、かなりの資金が必要となります。

一方、司法書士の場合、作業場所と応接室が確保できる小規模物件とパソコンや電話、FAXなどの最低限の設備があれば、開業時点では十分です。

継続的な仕入れなども必要なく、ランニングコストもかなり抑えられるので、司法書士の独立開業は費用面でのメリットがかなり大きいといえるでしょう。

年収アップ・高収入が狙える

年収アップと高収入が狙えることも、司法書士が独立開業するメリットの一つです。

前提として、司法書士の年収は一般的な会社員と比較しても高い傾向にあるので、司法書士として働く時点で高水準の収入が見込めます。

そのうえで、司法書士として独立開業をすることで、さらに年収アップ・高収入が狙えます。

日本司法書士会連合会が発行した「司法書士白書 2021年版」に掲載されている、調査開業司法書士の売上(収入)金額の調査結果は下記のとおりです。

開業司法書士の年間売上(収入)金額 回答の割合(小数第二位で四捨五入)
0円 1.8%
1万円〜199万円 6.2%
200万円〜499万円 10.2%
500万円〜749万円 8.8%
750万円〜999万円 8.4%
1,000万円〜4,999万円 35.0%
5,000万円〜9,999万円 3.2%
1億円以上 0.8%
無回答 25.7%

もっとも多く回答されたのは、「1,000万円〜4,999万円」で35.0%となっています。

続いて、同じく「司法書士白書 2021年版」による、独立していない勤務司法書士の年収の調査結果は下記のとおりです。

勤務司法書士の年収(賞与含む) 回答の割合(小数第二位で四捨五入)
100万円未満 4.2%
100〜200万円 6.7%
200〜300万円 11.4%
300〜400万円 21.0%
400〜500万円 18.3%
500〜600万円 15.1%
600〜700万円 8.2%
700〜800万円 3.5%
800〜900万円 2.9%
900〜1,000万円 3.0%
1,000〜2,000万円 2.4%
2,000〜4,000万円 0.3%
4,000〜7,000万円 0.2%
7.000万円以上 0%
無回答 2.9%

勤務司法書士の年収としてもっとも多い回答は「300〜400万円」で21.0%となっており、全体的に「200〜600万円」の年収におよそ65.8%が集中していることがわかります。

開業司法書士の金額が事務所の「売上」であり、実際に手元に残る金額ではないので、単純に比較することはできませんが、独立開業している司法書士の方が年収が高くなるケースが多いことがうかがえます。

司法書士として、より高収入を目指すなら、独立開業を目指しましょう。

自分の裁量で仕事の時間の融通がきく

自分の裁量次第で勤務時間の都合がつけやすいことも、司法書士として独立開業をするメリットです。

雇用されて勤務する司法書士は、基本的な勤務時間が定められていて融通がききにくいというのが一般的であるのに対し、独立開業している司法書士は自分の裁量で仕事の時間などを決められます。

廃業のリスクが低い

廃業のリスクが低いことも司法書士として独立するメリットです。

さまざまな職種の個人事業主がいる中でも、司法書士は廃業リスクが低い業種と言われています。

事務所を設置する地方や条件によっては、多少廃業率に変動はあるものの、一般的に見れば廃業率が低い安定した職種であるということには違いありません。

司法書士事務所の開業手順

司法書士が開業する際には、おおまかに下記のステップで進めることになります。

  1. 司法書士としての実務経験を積む
  2. 独立開業に向けた事業計画を立てる
  3. 事務所や設備等の準備・契約をする
  4. 司法書士会への登録申請をする
  5. 人脈作り・営業を行う

それぞれのステップですべきことと注意点を順を追ってチェックしていきましょう。

1.司法書士としての実務経験を積む

司法書士の資格を取得したら、まずは既存の司法書士事務所に勤務して実務経験を積むことをおすすめします。

司法書士資格を取得しさえすれば、すぐにでも独立開業することは可能ですが、経験や知識なしで事務所を運営するのはかなり困難です。

目安としては3年程度、司法書士として経験を積み、業務の流れや事務所の運営に関する最低限のノウハウを理解してから独立に進むと良いでしょう。

2.独立開業に向けた事業計画を立てる

司法書士として実務経験を積み、いよいよ独立開業を現実的に考える段階に入ったら、事業計画と資金計画を立てます。

開業にあたって金融機関から融資を受ける場合、事業計画書の提出が必要です。

資金計画は、具体的な数字を盛り込み、いつごろにどれくらいの利益が出る見込みがあるかを明らかにします。

3.事務所や設備等の準備・契約をする

事務所は、自分がメインターゲットとする顧客層にアクセスしやすい場所に設置するのがポイントです。

たとえば、法務局や銀行、不動産会社など関連施設が多いエリアや、特定の業種が多いエリアなどを見極めて事務所を設置すると、顧客との接触機会を増やしやすくなります。

事務所を開設するのに必要最低限な設備は、以下のとおりです。

  • PC
  • プリンター・スキャナー
  • 電話、FAX
  • 作業デスク
  • 応接スペース

ただし、事務所を設置すると、賃料などの固定費が売上がないのにも関わらず発生してしまいます。

そのため、最初は自宅などで開業したり、レンタルオフィスなどを借りて固定費をできる限り少なくするのがおすすめです。

事務所を設置するにしても、規模は大きくしすぎず、必要最低限の設備と広さの場所を借りるのが重要です。

4.司法書士会への登録申請をする

独立開業をして、自分の事務所を構えるには司法書士会への登録申請が必要です。

司法書士登録の手続きは、司法書士事務所を開設する地域を管轄する法務局または地方法務局の管轄区域内の司法書士会を経由して行う必要があります。

具体的な登録入会方法は、所属する予定の司法書士会へ確認します。

また、開業をしたら税務署に開業届も提出しておきましょう。

開業届を提出することで、確定申告を青色申告で行えるようになり、さまざまな場面で節税効果が得られます。

5.人脈作り・営業を行う

開業後の顧客獲得には、人脈作りと積極的な営業活動が欠かせません。

具体的には次のような活動を行い、積極的に人脈作り、営業を行いましょう。

  • 挨拶状の送付:取引先や関連業界に向けて、独立の挨拶と事務所の開業を知らせる挨拶状を送付する
  • 交流会や業界セミナーへの参加:地元の経営者が集まる交流会や、司法書士向けのセミナーに参加して名刺交換を行い、信頼関係を構築する
  • 地元企業への訪問:不動産会社や税理士事務所、金融機関を訪問し、業務提携を図る

人脈づくりは一朝一夕で行えるものではないので、設備などの準備をしながら並行して行うのがおすすめです。

司法書士が独立を成功させるためのポイント

司法書士として独立開業することは、あくまでもスタートに過ぎません。

以下では、実際に司法書士として独立を成功するためのポイントを解説していきます。

  • 顧客ターゲットを明確にする
  • 強みを活かして初見のユーザーからの信頼を得る
  • 人脈を築く
  • Web集客を活用する

各ポイントを詳しく見ていきましょう。

顧客ターゲットを明確にする

まず、司法書士事務所の顧客ターゲットを明確にしましょう。

顧客ターゲットをより具体的にするためには、「ペルソナ」を設定するのがおすすめです。

「ペルソナ」とは架空の顧客像のことで、自社サービスのターゲットとなる「実在しそうな一個人」を想定します。

司法書士事務所のペルソナ設定で想定すべき具体的な項目として、下記のような項目が挙げられます。

  • 性別
  • 年齢
  • 職業
  • 抱えている問題・依頼内容

上記の項目をもとに、「30代会社員で開業を考えている、登記手続きを依頼したい男性」のように、より具体的なターゲットを設定します。

顧客ターゲットを明確にイメージしたペルソナを設定することで、集客の方向性がブレてしまうリスクを減らすことができ、集客の成功につながります。

強みを活かして初見のユーザーからの信頼を得る

初見のユーザーは司法書士を探す際に「実績があるか」「相談したい内容の専門性が高いか」など、信頼できるかどうかを重要視しています。

たとえば、「不動産・相続なんでも対応!○○司法書士事務所」よりも、「相続に強み!○○司法書士事務所」の方が、相続を依頼したい人にとっては選ばれやすくなといえます。

たとえ「開業したばかりで仕事を選んでいる場合ではないから、なんでも対応できるという風に見せたい」という場合でも、ある程度見せ方として「〜に強み」「〜に特化」「〜専門」という見せ方にすると良いでしょう。

そうすることで依頼しようと悩んでいる顧客に安心感を与えることにつながります。

人脈を築く

司法書士は地域密着性の高い業種です。

そのため、地域の関連事業者や同業者(特に税理士や弁護士)との連携を深めることで、案件の獲得が期待できます。

また、開業当初は「全く初めての人」からすぐに仕事が来る訳もなく、ある程度繋がりのある業者や知り合いの中から「紹介」という形で発生していくのが一般的です。

開業当初は地域の関連事業者の集まりに顔を出したり、コミュニティに参加したりしながら、自身のことを覚えてもらうように務めることが重要です。

Web集客を活用する

司法書士が集客を成功させるうえで必要不可欠なのがWeb集客の活用です。

なぜなら、インターネットが普及した現代において、司法書士を探すユーザーのほとんどがはじめにとる行動がインターネット検索だからです。

Web集客の方法には、下記のような方法があります。

  • HPの作成
  • Web広告の掲載
  • ブログの作成と記事の発信
  • SNSでの情報発信
  • ポータルサイトへの登録

これらを組み合わせてWeb集客を活用することで、司法書士としての独立を成功に近づけられるので、積極的に取り入れていきましょう。

独立開業で失敗する司法書士の特徴

独立開業で失敗する司法書士の特徴は、下記のとおりです。

  • 報酬設定額を相場より安く設定しすぎる
  • 取り扱う業務が限定的である
  • コミュニケーションスキルが不足している
  • Web集客をなんとなくで進める

それぞれの内容について、詳しく解説します。

報酬設定額を相場より安く設定しすぎる

開業当初はとにかく仕事が欲しいため、安く自分を売ってしまいがちですが、後々それは自分の首を絞めることにつながります。

安く設定したがために、その後もその価格でやらざるを得なくなってしまい、「仕事をしても仕事をしても赤字」といった状態になってしまいやすくなるのです。

開業したばかりだから安くするのは、「まず実績を作る」という観点からいえば良いですが、「限定10名さま」「1ヶ月間期間限定」など、きちんと安くする期間や数を決めて行うようにしましょう。

また、安くやるかわりに「お客様の声をもらう」など、安くやったことが次の仕事につながっていくような工夫をしていくことが重要です。

取り扱う業務が限定的である

司法書士として、専門知識と強みがあること、それらをアピールすることは非常に重要ですが、完全に特化して取り扱う業務を限定的にしてしまうとデメリットのほうが大きくなってしまいます。

司法書士の対応する業務には関連性があることが多く、相続関連の業務を依頼した顧客が、のちに自身の遺言書作成を依頼するなどのようにリピートにつながることも多いです。

得意分野をアピールしつつも、取り扱う業務を幅広くしておき顧客の獲得を目指しましょう。

幅広い業務に対応できるよう、独立開業する前にさまざまな業務経験を積んでおくのがおすすめです。

コミュニケーションスキルが不足している

司法書士として独立開業を成功させるには、コミュニケーションスキルが必要不可欠です。

司法書士に初めて業務を依頼する顧客のほとんどは不安を抱えていることが多いので、コミュニケーションを通して不安を軽減することが重要といえます。

顧客との信頼を築くうえで重視すべきコミュニケーションの内容として下記のような内容が挙げられます。

  • 相談しやすい環境や雰囲気を整える
  • 知識や経験をもとに疑問を解消する
  • 依頼内容に関する完結までの流れを伝える
  • 進捗をこまめに報告する

信頼関係を築くことで、のちに別案件のリピートにつながったり、ほかの顧客を紹介してもらえたりなど、仕事の獲得にもつながるのでコミュニケーションは密に取るようにすることが重要です。

Web集客をなんとなくで進める

司法書士が独立開業を成功させるには、Web集客の活用が重要であることは先ほどもお伝えしましたが、Web集客をなんとなく進めても成果には結びつきません。

Web集客には正しい知識が必要であるのはもちろん、「実行・分析・改善」のステップを繰り返して、より精度や効率を上げていく工夫が必要です。

専門知識がない人が独立開業をする場合、最低でも立ち上げから一定の期間は、Web集客をプロに依頼することをおすすめします。

Web集客で独立開業を成功させよう

この記事では、司法書士の独立開業のメリット、開業手順と成功のポイントを解説してきました。

司法書士が独立開業を成功させるには、Web集客の活用が特に重要です。

しかし、一からHPを制作することや、効果的なWeb広告の掲載設定、コンテンツのSEO対策などは、専門知識が必要になることが多いので難易度はかなり高いのが実情です。

また、「実行・分析・改善」の流れを繰り返すことも、独立開業をしたばかりの多忙な司法書士にとってかなり困難といえます。

Web集客をプロに依頼したい司法書士の方は、ぜひドットアンドノードまでご相談ください。

ドットアンドノードは、類似の業務を取り扱う他社の相場に比べ、費用を抑えながらHP制作や運営をプロに丸投げできる点がおすすめのポイントです。

ドットアンドノードの「繁盛司法書士パック」のサービス内容は、下記のとおりです。

  • HP制作
  • Web広告の出稿作業
  • 毎月のWeb広告運用
  • 広告の分析・調整と最適化
  • AIを活用した広告の洗練作業
  • 地域特性に合わせた広告の調整

なお、ドットアンドノードの公式HPから事前に集客見込み診断が利用できるので、「独立開業するうえで、どれくらいの集客が見込めるのかわからない」という不安を抱えている方も安心です。

独立開業にあたってWeb集客を依頼したい方やWeb集客でわからないことがある方は、ドットアンドノードまでお気軽にご相談ください。

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