
司法書士が独立開業する際には融資を活用しよう!融資の種類と申請方法、審査ポイントを解説
司法書士としての実務経験を積み、いよいよ「自分の事務所を持ちたい」と独立を考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、開業にはオフィスの賃貸費用や設備投資、広告宣伝など、まとまった初期資金が必要で、全てを自己資金でまかなうのは難しいというケースも少なくありません。
そのようなときに活用できるのが融資です。
公的融資や民間金融機関の融資をうまく活用できれば、開業準備をスムーズに進めることができます。
この記事では、司法書士として独立を目指す方に向け、開業時に活用できる融資の種類と申請方法、審査のポイントを詳しく解説します。
司法書士の独立開業にかかる費用
司法書士の独立開業時に活用できる融資について、具体的な内容をお伝えしていく前に司法書士の独立開業にかかる費用を見ていきましょう。
それぞれにかかる費用の目安は、下記のとおりです。
項目 |
概算費用 |
---|---|
事務所関連費用・設備費 | 50万円〜 |
登録費用・会費 | 10万円前後(年会費別途) |
通信費や光熱費(初期費用・工事費) | 3万円〜 |
システム整備費 | 10万円〜 |
必要備品 | 3万円〜 |
以下では、司法書士の独立開業にかかる費用を大きく5つに分けて解説します。
事務所関連費用・設備費
司法書士の独立開業時に必要な費用として、特に大きな割合を占めるのが事務所関連費用と設備費です。
事務所関連費用および設備費には、下記のようなものが含まれます。
- 物件(家賃)
- 内装
- オフィス家具
- 設備
事務所として物件を借りる場合は、敷金・礼金に加えて、不動産会社への仲介手数料などの初期費用が発生します。
一般的には、これらを合わせて約50万円程度の出費を見込んでおくと安心です。
ただし、物件の立地や規模によって費用は大きく変わるため、資金計画を立てる段階でエリアごとの相場をしっかり調べておくようにしましょう。
また、内装工事を行う場合は、より高額な費用が必要になるケースもあります。
物件を選ぶ際には、どのような事務所として使うのか、具体的なイメージを持ちながら検討することがポイントです。
登録費用・会費
司法書士として開業し、事務所を運営していくためには、さまざまな登録費用や会費が発生します。
項目 |
費用 |
---|---|
司法書士会登録手数料 | 2.5万円 |
登録免許税 | 3万円 |
入会金 | 2.5〜5万円 |
会費 | 20〜30万円(年間) |
会費は司法書士が業務を行うために、自分の所属している司法書士会に支払う必要があるもので、年間20〜30万円ほどかかります。
会費の金額と徴収方法は司法書士会によって異なり、月ごとに会費を納める形であれば初期費用としては金額が低くなります。
金額や徴収方法などの詳しい情報は、所属している司法書士会に問い合わせるなどしてご確認ください。
なお、表に記載している費用以外にも、司法書士バッジのレンタル費用や必要書類の発行手数料、職印の作成費用など、開業時の届出や登録に必要な書類の関連費用が発生します。
登録費用として5〜10万円程度、余裕を持って費用を見込んでおくと安心です。
システム整備費(HP制作等)
デジタル化が進んでいる現代で、司法書士として事務所を運営していくうえでHP制作をはじめとするインターネット関連のシステム導入は必要不可欠です。
HP制作費用は、依頼する業者によって料金設定が大幅に異なるため、慎重に比較検討することが重要といえるでしょう。
具体的には、10〜50万円ほどの費用が必要ですが、そのほかにかかる費用も踏まえ、HP制作にどれだけの費用をかけられる余地があるのかをまず考えることをおすすめします。
その予算の中で、豊富な実績があり、アフターサービスが充実している業者を選ぶと良いでしょう。
というのも、費用を抑えることだけを考えて業者を選んでしまうと、集客で結果がともなわず、開業後に苦労する可能性があるからです。
HPは司法書士事務所の顔ともいえる重要なものなので、予算を削りすぎずに慎重に業者選定をする必要があります。
また、司法書士業務に必要な登記ソフトや会計ソフトなどの導入も必要なので、併せて予算を確保することを頭に入れておいてください。
通信費・光熱費
通信費や光熱費についての注意点は、初期費用や工事費がかかる可能性があるということです。
インターネット回線は工事費がかかる場合が多いので、契約前によく確認しましょう。
キャンペーンの適用で工事費が無料になるケースや、キャッシュバック特典があるケースなどもあるので、いくつかの回線を比較して選ぶことをおすすめします。
なお、司法書士業務では、オンラインで申請業務を行ったり、顧客と連絡を取り合ったりということが多くなります。
そのため、高速かつ安定したネット環境を整えることが重要です。
インターネット回線は一度契約すると気軽には変えにくい性質があるので、慎重に選択しましょう。
必要備品
司法書士として日々の業務を行っていくうえで必要な備品も準備する必要があります。
具体的には、以下のような備品が必要です。
- コピー用紙
- インク
- 名刺
- 書類整理用品(ファイル・バインダー)
- 文房具類
- お茶・コーヒー
ほかの費用に比べると必要費用としては少額ではありますが、不足がないように準備しましょう。
なお、今回お伝えした以外にも、開業から当面の運転資金と生活費も確保しておく必要があります。
開業後すぐに安定した収入を得ることは難しいので、事前に備えて資金を蓄えておくと安心です。
司法書士の独立開業に融資を活用するべき?
全体の費用感が分かったところで、実際に融資を活用すべきかということを深堀りしていきましょう。
開業資金の調達方法
前提として、司法書士の開業資金の調達方法は、主に自己資金と融資の2種類です。
開業時点で、自己資金の蓄えがあれば自己資金で開業することも可能ですが、融資を受けるべきかの判断基準は自己資金の有無だけではありません。
以下では、独立開業時に融資を受けるメリットとデメリットを解説するので、順を追って見ていきましょう。
独立開業時に融資を受けるメリット
独立開業時に融資を受けるメリットは、下記のとおりです。
- 資金繰りが安定しやすい
- 新規向けの融資制度が充実している
- 融資実績が事業者としての信用につながる場合がある
- 自己資金を温存することで開業後の万が一に備えられる
独立開業時に当面の運転資金と生活費を準備しておくことは重要です。
実際、自己資金を全額開業資金にあててしまった場合、開業後に資金不足で苦しくなってしまう可能性があります。
融資で開業資金を用意し、自己資金を温存しておくことで、安定した事務所運営ができるということは大きなメリットといえるでしょう。
独立開業に融資を受けるデメリット
一方で独立開業時に融資を受けるデメリットは、下記のとおりです。
- 返済の負担が発生する
- 金利が発生する
- 審査に手間と時間がかかる
融資を受ける場合、どうしても金利がかかるので、全体を通してみると、費用が大きくなってしまうというデメリットがあります。
また、融資を受けるには審査を通過しなければならないので、審査に向けた準備が必要となり、手間と時間がかかります。
必ず審査に通過できるわけではないことも念頭に置き、余裕を持ったスケジューリングで開業準備を進めることが重要です。
司法書士が開業時に活用できる融資の種類
司法書士が開業時に活用できる融資の種類を大きく分けると、下記の2種類に分類されます。
- 公的融資
- 民間金融機関の融資
それぞれを順に解説していきます。
公的融資
「公的融資」とは、政府や自治体などの公的機関が提供している融資制度のことです。
公的融資の特徴は、下記のとおりです。
- 金利が低い
- 長期返済が可能である
- 審査が比較的ゆるやかである
- 審査に時間がかる
- 事業計画書が必要となり準備に手間がかかる
中小企業や個人事業主、創業者などに向けて提供されている融資制度が多くなっています。
公的融資には、日本政策金融公庫の融資制度や各地方自治体がありますが、司法書士が開業時に活用するのにおすすめなのが、日本政策金融公庫の新創業融資制度です。
日本政策金融公庫の新創業融資制度は、その名のとおり、新しく事業を始める方を対象にした融資制度なので、事業の実績がなくても融資を受けることができます。
注意点としては、原則、融資額の10分の1以上の自己資金が必要なことが挙げられます。
司法書士は、飲食店や物販に比べると開業時にかかる資金が少ないので、必要な自己資金の金額もさほど高くはならないものの、自己資金が必要であることも念頭においておきましょう。
民間金融機関の融資
「民間金融機関の融資」とは、具体的には、銀行や信用金庫、信用組合などが提供している融資制度のことを指します。
民間金融機関の融資の特徴は、下記のとおりです。
- 審査が厳しい
- 融資金額や使途の自由度が高い
- 金利が高い
- 保証人や担保が求められることが多い
- 融資までのスピードが比較的早い
先ほど解説した公的融資と対照的な内容になっていることがうかがえます。
これらの内容を踏まえ、司法書士の独立開業には公的融資を活用することをおすすめします。
公的融資は、審査に必要な書類の準備に手間がかかるだけでなく、審査自体にも時間がかかるので、余裕を持って審査準備を進めるようにしましょう。
司法書士が融資の申請をする際の手順と審査通過のポイント
以下では、司法書士が融資の申請をする際の手順と審査通過のポイントを解説します。
審査をスムーズに突破して融資を受けられるように準備していきましょう。
融資の申請方法
一般的な融資の申請方法は、下記のとおりです。
- 資金計画を立てる
- 必要書類を準備する
- 融資審査を申し込む
- 審査・面談を受ける
- 融資可否が決定される
詳しい申請方法は申し込む融資制度によっても異なりますが、下記のような書類が必要です。
- 借入申込書
- 創業計画書(事業計画・資金計画)
- 必要な資金の見積書
- 本人確認書類
- 自己資金証明書類(預金通帳のコピーなど)
準備に時間がかかるものも多いので、時間的に余裕を持って準備に取り組むことが重要です。
審査のポイント
融資には必ず審査があるので、誰でも融資を受けられるわけではありません。
審査の基準などは融資制度ごとに定められているので、一概にこういう条件を満たせば通過できるというものではありませんが、どの融資制度でも共通して重要な点というのは存在します。
審査のポイントとして、下記の内容が挙げられます。
- 事業計画書の内容に具体性と実現可能性があるか
- 自己資金が十分であるか
- 返済能力が認められるか
- 司法書士自身の人物評価が良いか
- 個人の信用情報に事故情報がないか
審査の段階で面談もあるので、事業計画などの書類がきちんと作成されているかはもちろん、その人自身が信用に足るかどうかも重要となります。
事業内容や資金計画などを自分の言葉で説明できるようにしっかりと把握しておきましょう。
創業計画書の作成方法
創業する事業の内容や資金計画をまとめる「創業計画書」は審査に必要な書類の中で、もっとも重要な書類です。
創業計画書の内容をもとに、各融資制度の審査担当が「本当に事業として成り立つか」「融資を実行してもしっかりと返済してもらえるか」といったことを判断します。
創業計画書は、融資制度に公式のフォーマットが存在するかを確認し、それに応じて必要事項をまとめていくことになります。
創業計画書の大まかな構成は、下記のとおりです。
- 創業の動機
- 事業内容
- 取扱業務・価格設定
- 顧客ターゲットと戦略
- 従業員の有無・人数
- 必要資金と調達方法
- 収支計画
これらを具体的な数字を盛り込んでまとめていく必要があるため、市場調査や競合調査を行うことも加味して作成には時間がかかります。
しっかりとした内容に仕上げるためにも、やはり時間に余裕を持って着手することをおすすめします。
司法書士の独立開業を成功させるポイント
司法書士としての独立開業はゴールではなく、あくまでもスタートです。
実際に司法書士として独立開業を成功させるためには、以下のようなポイントを押さえておく必要があります。
- 事業計画と資金計画を立てる
- 集客ターゲットを具体的に設定する
- 強みを明確にしてアピールする
- 幅広い人脈を構築する
- Web集客を積極的に活用する
それぞれ詳しく解説します。
事業計画と資金計画を立てる
司法書士として独立開業を目指すうえで、まず取り組むべきは事業計画と資金計画の策定です。
ただし、融資を受ける場合は、審査に必要な書類として創業計画書を作成することになるので、新たに作り直す必要はありません。
創業計画書は、融資の審査を通過するためにも、司法書士としての独立開業を成功させるためにも、特に重要なので、しっかりと作り込むようにしましょう。
集客のターゲットを具体的に設定する
司法書士業務は、取り扱える業務が幅広いので、ターゲットを明確にして戦略を練ることが重要です。
「誰に」「どのようなサービスを」「どう提供するのか」を明確にすることで、広告やWebサイトなどの打ち出し方が定まり、集客力も向上します。
たとえば、「不動産登記に強い司法書士事務所」「相続手続きに特化した専門家」といった具合に、専門性を打ち出すことで、ターゲットに強く訴求することができます。
強みを明確にしてアピールする
数多くある司法書士事務所の中で顧客から選ばれるためには、強みを明確にして積極的にアピールすることが大切です。
ただし、開業まもなくは実績がなく、実務的なところではすぐさま強みを打ち出していくことは難しいのも事実です。
実績づくりの中で強みを獲得していけるように意識しながら業務をこなしていくことをおすすめします。
幅広い人脈を構築する
安定して案件を獲得していくためには、人脈の構築が必要不可欠です。
弁護士や税理士、行政書士などの他士業との連携や、不動産業者との関係の構築は重要な役割を果たします。
異業種交流会や業界セミナーへの参加など、幅広い人脈を得るために活用できる場へ積極的に足を運びましょう。
Web集客を積極的に活用する
司法書士事務所の集客を成功させるためには、Web集客の活用が必要不可欠です。
ただし、Web集客には専門的な知識が必要になる場面が多いのはもちろん、実施には時間がかかります。
特に、司法書士として開業したばかりの時期は司法書士としての本業に時間をかける必要があるので、Web集客はプロに依頼するというのも一つの方法です。
Web集客を積極的に活用して、仕事を獲得していきましょう。
司法書士のWeb集客はドットアンドノードにおまかせ
この記事では、司法書士が独立開業時に活用できる融資制度について詳しく解説しました。
融資を活用することで、資金的に余裕を持って開業に臨むことができますが、それはあくまでもスタートにすぎません。
司法書士の独立開業を成功させるためには、さまざまな戦略のもと、Web集客を活用することが重要です。
しかし、SEO対策やWeb広告の運用やHPの制作や最適化には、専門知識と時間がかかります。
ドットアンドノードでは、司法書士向けに特化したWeb集客支援を行っており、HP制作やWeb広告の運用をはじめ、集客につながる施策を徹底サポートします。
司法書士の独立開業時のWeb集客にお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。